今年度も3月15日に第82回卒園式を無事執り行うことができ、41名の子ども達が笑顔でせいし幼稚園を巣立っていきました。卒園の日に全員揃った元気な姿を見られたことは何よりも嬉しいことでしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で２年間、子ども達が幼稚園で過ごす毎日が制限されながらの生活になってしまったことが、残念でなりません。

そんな、幼稚園で過ごす毎日ですが、最近私が感じていることをお話ししたいと思います。私にも現在２歳になる娘がいますが、色々な事をして遊ぶようになり、言葉も大分しゃべれるようになりました。家にいると“あれしよう”、“これしよう”と、色々な要求がきます。子どもにかまってあげたいのは山々ですが、自分のやりたいことなどをしている時はついつい「ちょっとまって」や「あとでね」と言ってしまいがちです。みなさんのご家庭はいかがですか？

それでは、幼稚園ではどうでしょう？そんな子ども達が１クラスだけでも何十人といるわけです。遊んでいたり、活動したりしていると、1人の先生に「先生、あれして遊ぼう」「先生、これして遊ぼう」「先生、わからん！」「先生、できない！」とたくさんの声が・・・。先生たちもつい、「ちょっとまってね」「あとでね」と言ってしまします。出来るだけ子どもの要求に答えてあげようと頑張っているのですが、それにも限界があります。なので、心構えとして、先生たちにはこう言っています。「ちょっとまってね」や「あとでね」と言ったら、必ず守りなさいと、子ども達は、先生が“あとで”“まって”といった言葉を信じているから。そうでないと、子ども達は先生の“まって”や“あとで”はあてにならないと思うようになります。そうすると、先生の他の話も信じてくれなくなってしまうからです。なので、出来ないことは「ごめん、今は出来ない」と断ることも大事です。ちゃんと理由を話せば、素直に納得は出来ないかもしれないけどわかってはくれると思います。

また、家庭での子ども達の生活様式も変わっています。様々な媒体でTVやサブスクリプションから一般の人が作ったYoutubeなどの動画まで様々な物を見たい時に見たいだけ視聴できます。そんな中で子ども達は様々な言葉を聞いて覚えていきます。子ども向けに作られているものはいいのですが、そうでないものになると、若者言葉やあまりよろしくない汚い言葉、攻撃的な言葉も平気で飛び交っています。その言葉の本当の意味する事とは違い、簡単に「○す」「○ね」などが相手を否定する意味で使われています。子ども達は素直に吸収し、普段の生活で子ども同士、大人に対して使っていきます。今の日本の中では本当の意味を理解するのはとても難しいことだとは思いますが、せめて我々、保育者や保護者がその言葉の本当に意味する事、言葉の大切さを、子ども達に伝えるとともに、自分の言葉使いや言ったことの責任、“言葉の重み”を思い出す必要があるのではないでしょうか。

今年度も皆様には多くのご心配、ご協力を頂きました、保護者の皆様にお会いする機会も少なく、修了式も参観を見送ることになり残念です。来年度は、もう少し過ごしやすい世の中になる事を願うばかりです。

職員一同子ども達のために、出来る限りの保育を行っていきたいとおもいますので、よろしくお願いします。