たいちょうのへや |
『子どもの努力・大人の努力』 |
せいし通信 春休み号 |
今年度も3月15日に第77回卒園式を無事執り行なう事ができ、55名の卒園児がせいし幼稚園を巣立っていきました。この一年を振り返ってみると、4月に熊本の大震災があり、久留米も大きく揺れ不安な日を過ごしたと思います。幼稚園でも次の日には職員と共に震災時の対応マニュアルを確認し、保育にあたりました。幸い保育中に大きな揺れはなく、避難するような事はなかったのですが、今一度災害や事故、事件などの非常時の対応を再確認する契機となりました。 また今年度は天気に非常に悩まされる一年でした。春の親子遠足から始まり、子ども達の園外保育や運動会など、はてはお別れ遠足まで微妙……、雨が降るか降らないかギリギリまで考えての決定が多かったと思います。ご家庭でも「やるの?」「やらないの?」とやきもきされていたと思います。私も様々な天気予報を見ながら「降るなら降る、晴れるなら晴れる、どちらかにしてくれ」と叫んでいました。 さて、子ども達はというと、私の心情を知るか知らないかは分りませんが、天気に左右されることなどもちろんなく、元気にたくましく成長してくれました。子ども達を見ていると、毎日の生活の繰り返しの重要さがとても分ります。特に朝や帰りの園庭遊びを見ていると、砂場では大きな山を作れるようになった子、カップで型抜きが出来る様になった子、園庭ではスクーターを片足でこげるようになった子、太鼓橋を渡れるようになった子、こまの紐がうまく巻けるようになり回す事が出来るようになった子、縄跳びを何回も跳べるようになった子など、毎日自分の好きな事を失敗してもあきらめずに何度も何度も行なうことにより少しずつ出来るようになりました。その出来たときの子どもの達成感と自信に満ち溢れた顔を見て、子どもと共に喜びを分かち合えた時に、教師をやっていて本当に良かったと感じます。 子どもが出来ない事を教師や保護者がしてあげる事は簡単です。食事を食べさせてあげたり、服を着させてあげたりすれば子どもも大人も時間は短くて済むでしょう。子どもが大きくなったら自然に出来るようになる事かもしれません。しかし、それまで待っていたら子どもは出来る様になるまで、多くを「してもらうまで待つ時間」に費やします。それは子どもが他の経験を獲得する機会を失うことにならないでしょうか。そうならない為にも大人が今出来る事に対して時間をかけてでも待ってあげる、子どもが出来るような環境、援助をしてあげることが大切だと思います。そんなに時間はかけていられないと思う方もいるでしょう。そういう方はまず子どもが出来るという環境から整えてあげるといいと思います。着やすい服、表裏が分りやすい服を選んであげる、ファスナーの先に紐を付けてあげる、上靴の左右が分るように合印を付けてあげる、かかとに紐を付けてあげるなど、工夫次第で子どもが出来るという機会が増えるのです。一度出来るようになると子どもは自信を持ち、色々なことにあきらめずに挑戦するようになります。 どうしたら子どものやる気をださせることができるか、自信を持たせる事ができるのか、その方法を見つけるのはとても難しいことです。我々保育者も日々保育の反省をし、研修を重ねています。子どもが出来るようになる、出来るように努力する力を身に付けさせるには、大人も努力しなければならないのです。 |
園長 遠山 純史 |
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