たいちょうのへや |
『早寝早起き』 |
せいし通信 2月号 |
単純に私たちの睡眠時間を6時間と仮定すると、私たちは1日の1/4を寝て過ごしています。ということは平均寿命が80歳を超える日本人の大半は、そのうちの20年間以上を寝て過ごしているという計算になります。この眠りについては年齢差があって、生後間もない赤ちゃんは、昼夜関係なく1日の大半の18〜20時間を眠って過ごしています。生後4ヶ月頃から昼間の睡眠が徐々に減り、5歳を過ぎる頃から夜になったら眠るというリズムが大人のものに近づきます。 眠りには種類があり、ノンレム睡眠とレム睡眠に分けられます。ノンレム睡眠は脳の眠りといわれ、脳波の変化によって、ウトウトとした浅い眠りから深い眠りまで4段階に分かれていて、浅い眠りから深い眠りへ、またその逆をたどり1時間から1時間半ほどの睡眠です。 レム睡眠(REM= Rapid Eye Movement)は体の眠りといわれ、字の如く素早い眼球の動きがある眠りで、ノンレム睡眠の後に10〜20分程現われます。この時は体の筋肉は弛緩していて、多少体を揺すったくらいでは起きないほどの眠りで、夢を見るのはこの時間帯だといわれています。 これからするとノンレム睡眠とのセットで、一晩に4〜5本の短編の夢を見ていることになりますが、実は夢の多くは起きた時点で忘れ去られてしまっているのだそうです。 ところで、今子ども達の夜更かしが問題になっています。過去に実施された全国の幼児の健康度調査では、午後10時以降に就寝する子どもの率は、3歳児52%、4才児49%、5〜6歳児は40%だったそうです。実に3歳児の二人に1人が夜10時過ぎまで起きていることになります。夜更かしをすると朝なかなか起きられないばかりか、午前中は元気がなく、そのせいで体を動かしての遊びが不十分になり、これが生活のリズムを乱して子どもたちの健康に大きな影響をもたらします。 幸いせいしの子どもたちは良い家庭環境に恵まれて、時に前日の睡眠不足の子は見られるものの、睡眠不足で食欲がなく朝食抜きの子や、午前中に元気のない子はまず見られません。 人類は地球上に誕生して以来、朝がきたら太陽のもとで活動をして食物を摂り、日が落ちて暗くなると眠りについて、昼間とった食物で身体を造るシステムができあがっているのです。『夜更かし朝寝坊』は、身体の働きを妨げる生活です。夕方から夜にかけて身体が眠りにつこうとしているのに、遅くまで起こされている。朝は太陽とともに起きて活動するようにプログラムされているのに、夜更かしで午前中はボーっとしている。これはまさに海外旅行で経験する『時差ぼけ』とまったく同じなのです。私は、幼児期の子どもたちには、8時間から10時間の睡眠が必要だと思っています。つまり逆算すれば夜8時過ぎには就寝することを心掛けるべきです。8歳から12歳で臨界期を迎える知性や情緒の脳の発達には、睡眠は欠かせない大切な栄養素なのです。 毎日寒い日が続いていますが、それでも私たちは寝ている間にはコップ1〜2杯分の汗を書くといわれています。快適な睡眠を摂るためにも、晴れた日にはできるだけお布団を干して乾燥させるようにしたいものです。フカフカに干された温かいお布団に包まれる、それだけでその夜はとても幸せな気分になれます。子どもたちも温かいお日様の匂いと優しいお母さんの匂いに包まれて、素敵な夢の世界で遊べるに違いありません。 |
理事長 遠山 和良 |
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