せいし 幼稚園
 
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子どもたちは いま ・ ・ ・
 
 『早寝・早起き・朝ごはん
せいし通信 12月号

 単純に私たちの一日の睡眠時間を6時間と仮定すると、人間は一日の1/4を寝て過ごしている計算になります。つまり、平均寿命が80歳を超える日本人の大半は、その人生の内の20年間以上を寝て過ごしていることにもなります。この眠りには実は年齢があって、生後間もない赤ちゃんは、昼も夜も関係なく一日の大半の18~20時間を眠って過ごしています。生後4ヶ月頃から昼間の睡眠時間が徐々に減り、5歳を過ぎる頃から夜になったら眠るというリズムが大人のものに近づきます。

 また眠りには種類があり、ノンレム睡眠とレム睡眠に分けられます。ノンレム睡眠は脳の眠りといわれ、脳波の変化によって、ウトウトとした浅い眠りから深い眠りまで4段階に分かれていて、浅い眠りから深い眠りへ、またその逆をたどり1時間から1時間半ほど続きます。レム睡眠(REMRapid Eye Movement)は体の眠りといわれ、字のごとくすばやい眼球の動きがある眠りで、ノンレム睡眠の後に10~20分ほどあらわれる眠りです。この時 体の筋肉は弛緩し、体を揺すったくらいでは起きないほどの眠りで、夢を見るのはこの時間帯だといわれています。このことからすると、ノンレム睡眠とのセットで、一晩に4~5本の短編の夢を見ている計算になるのですが、実は夢の多くは   起きた時点で忘れてしまうのだそうです。

 いま子どもたちの夜更かしが問題視されています。少しデータは古いのですが、平成12年に実施された全国の幼児の健康調査では、午後10時以降に就寝する子どもの率は、3才児が52%4才児が49%56歳児は40%だったそうです。実に3才児の二人に一人が夜10時過ぎまで起きていることになります。夜更かしをすると朝なかなか起きられないばかりか、食欲がなかったり朝食をとる時間が無くて、午前中は元気がなくぼんやりとして過ごしてしまうことにもなりかねません。 この問題では文部科学省が中心となって、平成184月に「早寝、早起き、朝ごはん」を提唱する全国協議会が設立され、子どもの基本的生活習慣の確立や、生活リズムの向上につながる運動が展開されています。

 人類は地球上に誕生して以来、朝がくると太陽のもとで活動をして食物をとり、日が落ちて暗くなると眠りについて、昼間とった食物で身体を作るシステムができあがっているのです。夜更かし・朝寝坊は身体の自然の働きに反する生活です。夕方から夜にかけて体が眠りにつこうとしているのに遅くまで起こされている。朝日とともに起きて活動するようにプログラムされているのに、夜更かしで午前中はボーっとしている。これはまさに海外旅行で経験する「時差ぼけ」と同じなのです。私は幼児期の子どもには8時間から10時間の睡眠が必要だと思っています。つまり起床時間から逆算すれば、夜8時過ぎには就寝することを心がけることです。8歳から12歳で臨界期を迎える知性や情緒などの脳の発達には、睡眠は欠かせない大切な栄養なのです。

 ところで、私たちは寝ている間にコップ12杯分の汗をかくといわれています。快適な睡眠をとるためにも、晴れた日はできるだけ布団を干して乾燥させるようにしたいものです。フカフカに干された暖かい布団に包まれる、それだけでその夜はとても幸せな気分になれます。子どもたちも、暖かいお日様の匂いと優しいお母さんの匂いに包まれて、素敵な夢の世界に誘われることでしょう。

 園長   遠山 和良
 
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