えんちょうのへや |
『葛藤』 |
せいし通信 5月号 |
4月も下旬になって、新園児たちもようやく落ち着いて遊び始めました。年中組が植えたキュウリ、年長組が植えたプチトマトも蔓や若葉を延ばし始めました。 幼稚園の生活のリズムに慣れてきた子どもたち、特に新園児たちにとっては、これからが本当の意味での集団生活のスタートです。今までは家庭という小さな世界で過ごし傍には優しい両親がいて、自分の意志はほとんど通ってきた生活。そんな家庭での生活とは異なり、幼稚園では何故か自分のいうことを全て聞き入れてくれるわけではない先生。何故か自分の思いどおりにならない友だち。最初にしたいのに何故かある順番。ブロックを独り占めして遊びたいのに、何故か交代で使ったり、少しずつ分けあって遊ばなければならないこと‥‥。 こんなはずじゃなかった!? 子どもたちの心に「葛藤」が生まれます。葛藤という言葉は、文字どおり「カツラ」と「フジ」、もつれ絡まる様子を意味します。いままでの家庭での生活からは想像もできない、子どもたちにとってはカルチャーショックともいうべき出来事が幼稚園では起こっているのです。幼稚園から帰宅すると異常に甘えたり、幼稚園でたまっていたうっぷんをはらすのに乱暴になったりする事も見られると思いますが、これはお母さんを信頼しているからこそ見られる現象ですから心配は無用です。 幼児期の子どもは、みんな自分中心の世界を持っています。この「葛藤」は、子どもたちにとって避けて通れない試練です。その試練を克服し、自分中心の世界から、教師や友だちとともに育ちあう、調和のとれた集団生活へ上手に飛び立たせてやること、それが親や教師の大切な役割の一つです。そして、それが子どもにとっての親離れにもなるのです。 乳児期から幼児期は、人間が一生の中で最も変化成長する時期です。何しろ自分で歩くようになり、おしゃべりするようになり、自分の意志で考え、行動するようになるのですから。 幼稚園時代は、いっときも目を離せません。子どもたちの成長を楽しんでください。 |
園長 遠山 和良 |
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