あけましておめでとうございます。

子どもたちはよく笑い、よく泣き、よくふくれっ面をします。喜怒哀楽の心情がそのまま顔に出るので、その子の心理状態を読み取ることもできます。さらに両親であれば、我が子の顔を見ただけで心理状態だけではなく、健康状態までも把握できるのではないでしょうか。

　それにしても、子どもたちのあの輝くような笑顔。これはもう子どもたちの専売特許のようなもので、それが大人になると笑いの底に計算や、笑うことに対する抵抗感があってなかなか子どものような輝く笑顔にはなりません。ただ、世の中のしがらみや束縛から解放されたお年寄りの中には、子どもの頃の笑顔を再度手に入れた方も多いのですが　‥‥。

　｢笑い｣の効能についてはいろいろといわれていますが、その中でも身体の抵抗力や免疫力がアップするという報告があります。それも大笑いの必要はなく、頬の筋肉を緩めて微笑むだけでも効果があるのだそうです。また相手とのコミュニケーションをとるためにも、笑顔は有効な手段であることはいうまでもありません。

　家で飼っている、金魚も、犬も猫も笑うことはありません。笑うのは霊長類の猿からだといわれています。しかし、猿の笑いは歯をむき出して息を吐き出す仕草で、その表情からは怒っている顔との区別が付きにくいそうです。また、その笑い顔も、強そうな相手に対して｢私はあなたに対して敵意はありませんよ｣という意思表示なのだそうですから、様々な笑いの表情をもつのは人間だけということになります。

　笑いは生活の潤滑油にもなります。年長組にもなると、どこで聞いてきたのかジョークを飛ばす子もいて（｢ふとんがふっとんだ｣などの、いわゆる親父ギャグ程度のものですが ‥‥）まわりの笑いを誘います。　日本人はユーモアのセンスやジョークの才に欠けるといわれますが、ジョークが笑いを誘い、笑いが体の免疫力や抵抗力を高める作用があるのであれば、良質のジョークを楽しむことは体にとってよい結果をもたらすことにもなります。

　そこで新春ということもあり、何度思い出しても笑えるロシアのジョークを一席。

『馬車で通りかかった王女様に農民が「ブタ」といって捕まってしまった。農民は平謝りに謝り｢二度と王女様にブタなんて申しません｣。　こうして何とか許された農民は家に戻った。そしてその足でブタ小屋に行くなり、ブタに「王女様」と呼びかけた』というものです。ブタには迷惑かもしれませんが、私も一匹飼って、誰かの名前を呼んでみたい気もします。

『数日間、何も食べていない人の前に天使が現われて「何か望みはありませんか？」と聞いた。その貧しい人は期待に胸を膨らませて「パンを一切れ」と答えた。すると天使は｢アンケートに答えて頂いてありがとう」といって去って行った』

　重苦しい時代や、個人的につらい時期にこそ、ジョークは真価を発揮して、笑顔を取り戻すことができ、体も生き生きと動き出すような気がします。

　少しは笑って頂けたでしょうか。ご両親の表情が明るければ、子どもの表情も明るいのです。『笑うかどには福来る』。年の初めは笑顔でスタートさせてください。