たいちょうのへや |
『創造する子ども』 |
せいし通信 1月号 |
せいし幼稚園の教育目標の一つに「創造する子ども」があります。創造とは「文化を創造する」など新しいものをはじめて創り出すこと、また神が宇宙を作り出す「天地創造」という意味があります。この頃では、クリエイション・creation(創造)、クリエーター・creator(創造する人)と表わされることも多く見られるようになりました。 幼児期に幼稚園で出合う教育的な「環境」。教師や友だちとの「人間関係」。「言葉」を獲得し、それを駆使して培うコミュニケーション能力。感じたことや考えを自分なりに「表現」して、豊かな感性や想像力を養うこと。そして、それを支える「健康」で様々な運動能力を備えた身体。この以上の五つの言葉は、幼稚園教育要領に、五つの領域として示されています。これらの領域は相互に関連していて、それぞれの分野に示される「ねらい」が、総合的な遊びを通して達成されるものとされています。 幼稚園で初めてこどもたちが経験する集団生活や、教師によって用意された教育的な環境。 子どもたちには、それに働きかけて、自分自身にとって新しいものを初めてつくりだす「創造的な能力」が要求されます。そして、それは一方的に教師から与えられた指示や作業(知能教育と銘打った教材などもそれにあたります)で培われるものではありません。幼稚園が、教師がこのような子どもに育って欲しい、このような経験をつんで欲しい、このような能力を備えて欲しい、と意図した教育的な環境に、子どもたちが自ら働きかけて、初めて達成されるものなのです。 先日、副園長が「こどもたちが、こんなものを作ったんですよ」と、一枚の写真を見せてくれました。それは数人の子どもたちが、小さな積み木を積み上げて作ったものでした。この積み木は、もう10数年も前になるでしょうか。大川の木工業者が作っていた子供向けの、この小さな積み木がとても精巧にできていたので、かなり大量に購入したものです。 子どもたちは、この積み木を積み上げたり、ドミノ倒しをして遊んでいたのですが、11月頃に、年長組の子どもたちが数人で、この積み木を山のように積み上げて遊んでいたそうです。それを見ていた年中組の女の子数人が、自分たちも作ってみよう、それじゃあ作るのならハート型にしない?、などと会話をしながら、協同で写真のような立体的なハート(私にはとても素敵な籠に見えるのですが
‥‥)ができあがりました。 もちろん設計図などはなく、子どもたちの頭の中や、積み上げていく過程の中で徐々に形作られていったものなのですが、数人のこどもたちが、息を殺して指先に集中して積み上げていった様子が、この形から見て取れるようです。 一つの木片から最終的に、この形に仕上げるには、根気や集中力、子どもたちの協力による協同作業、そして「創造的な能力」が要求されます。それがこの年中組の子どもたちの中にも確かに育っていたことが理解されて嬉しいことでした。この積み木は、現在も続いていて、ひょっとしたら2月の作品展に作品として出品されるかも知れません。(もちろん製作者である子どもたちの気分次第ですが
‥) 「創造する子ども」をこれからも大切に育てたいものです。 |
理事長 遠山 和良 |
せいし通信 バックナンバー |
平成23年度 2011年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
冬休み号 1月号 作品展特集号 2月号 3月号 春休み号 |
平成24年度 2012年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
冬休み号 1月号 2月号 3月号 春休み号 |
平成25年度 2013年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
冬休み号 1月号 2月号 3月号 春休み号 |
平成26年度 2014年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
冬休み号 1月号 2月号 3月号 |
平成27年度 2015年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
冬休み号 1月号 2月号 3月号 春休み号 |
平成28年度 2016年 |
5月号 6月号 7月号 夏休み号 9月号 10月号 11月号 12月号 |
seishi@kumin.ne.jp
学校法人 聖使学園 認定こども園
せいし幼稚園・せいしキディクラブ
〒830-0023 福岡県久留米市中央町30-5
TEL:0942-32-4971 FAX:0942-32-7678