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子どもたちは いま ・ ・ ・
 
 『サンタクロース
せいし通信 冬休み号

 子どもの心は、夢と希望と感動の受容体でできています。その夢や希望や感動が子どもたちの興味や関心を引き出し、意欲や課題に向かう行動を引き出します。夢や希望や感動する心をたくさんもっている子どもほど、挑戦心が旺盛で学習能力が育っているともいえるのです。つまり感性と知性はお互いに独立しているものではなく、むしろ感性の中に知性が渾然として一体を為しているといえます。感性を育むことは、知性をも育てることになるのです。

 12月、幼稚園にもサンタクロースがやってくるというので、子どもたちはプレゼントを入れてもらうサンタブーツ作りに余念がありません。年少・年中・年長組、それぞれの学年により製作過程に違いがあり、年長組は一枚の厚紙から立体を起こしてブーツを作り出しますが、そこはプレゼントを入れてもらうために作るわけですから、いつもとは力の入りようが違います。

 サンタクロースは、小アジアのミュラの司教聖ニコラウス(4世紀頃)を意味するオランダ語の Sint Klaes(セント・クラウス)が変化したもので、ニコラウスの祝日の12月6日の前夜に贈り物を交換する習慣があったものが、サンタクロースとプレゼントの起源になっているようです。

 子どもたちの夢や憧れの対象である、クリスマスやサンタクロース。

今年も100年以上も前のニューヨーク・サン新聞社の記者が、小さな女の子の質問に答えたお話を読んでください。 ひょっとしたら子どもたちにとっては、この時代のほうが、現代よりも住みやすい時代だったのかも知れませんね。



バージニアの手紙

 

 記者様

 

 私は八つです。 私の友達に「サンタクロースなんていない」って言っている子がいます。

パパに聞いてみたら、

「サン新聞に問い合わせてごらん。 新聞社でサンタクロースがいるというなら、そりゃもう、確かにいるのだろうよ。」

といいました。

ですからお願いです。 教えてください。

サンタクロースって、ほんとにいるのでしょうか?

 

バージニア・オハンロン 




サン新聞 掲載文

 

 バージニア お答えします

 

 サンタクロースなんていないのだ。というあなたのお友達は間違っています。

きっと、その子の心には、今流行の何でも疑ってかかる疑り屋根性というものが染み込んでいるのでしょう。 疑り屋には目に見えるものしか信じられません。 疑り屋は心のせまい人たちです。 心がせまい為によく分からないことが沢山あるのです。 それなのに、自分の分からないことは、皆、嘘だと決めつけるのです。

 

 でもバージニア、サンタクロースがいるというのは決して嘘ではありません。 この世の中に、愛や人の思いやりや真心があるのと同じように、サンタクロースも確かにいるのです。

 あなたにもわかっているでしょう・・・・

世界に満ち溢れている愛や真心こそ、あなたの生活を美しく、楽しくしているものなのだ、ということを。 もしもサンタクロースがいなかったら、この世はどんなに暗く寂しいことでしょう!

 

 あなたのような可愛らしい子どものいない世界が考えられないのと同じように、サンタクロースのいない世界なんて想像もできません。 サンタクロースがいなければ、人生の苦しみをやわらげてくれる、子どもらしい信頼も、詩も、歌も、ロマンスもなくなってしまうでしょうし、私たち人間の味わう喜びは、ただ目に見えるもの、手で触れるもの、感じるものだけになってしまうでしょう。 また、子どもの時代に世界に満ち溢れている光も消えてしまうでしょう。

 

 サンタクロースがいないですって!?

じゃあ、試しにクリスマス・イヴにパパに頼んで探偵を雇って、ニューヨーク中の煙突を見張ってもらったらどうでしょうか? ひょっとするとサンタクロースを捕まえることができるかもしれませんよ。

 しかし、たとえ煙突から降りてくるサンタクロースの姿が見えないとしても、それが何の証拠になるのです? サンタクロースを見た人はいません。 けれども、それはサンタクロースがいないという証明にはならないのです。 この世で一番確かな事、それは、子どもの目にも大人の目にも見えないものなのですから。

 

 この世の中にある見えないもの、見ることができないものが、何から何まで人の頭の中で作り出し想像したものだ、などということは決してないのです。 目に見えない世界を覆い隠している幕は、どんな力の強い人にも、いいえ、世界中の力持ちがよってたかっても引き裂くことはできません。 ただ信頼と想像力と、詩と歌と、愛とロマンスだけが、そのカーテンを一時引きのけて、幕の向こうの例えようもなく美しく、輝かしいものを見せてくれるのです。

 

 そのように美しく輝かしいもの。 それは人間の作った出鱈目でしょうか!?

いいえ、バージニア。 それ程確かな、それ程変わらないものは、この世に他にないのですよ。

 

サンタクロースがいない。ですって! とんでもない!?

嬉しいことにサンタクロースはちゃんといます。

それどころか、いつまでも死なないでしょう。 一千年後も百万年後までも、サンタクロースは、子どもの心を今と変わらず喜ばせることでしょう。

 園長   遠山 和良
 
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