えんちょうのへや |
『ことば』 |
せいし通信 7月号 |
『言葉』には、意志表現「オシッコ」「オナカスイタ」というような生理的欲求の表現から、簡単な経験の表現、そして共通表現を手がかりとする仲間言葉への拡大があります。まず「思ったことがいえるように」の段階から、子どもの集団で考え出す(集団思考)ことができるようになるまで、自分の意志の伝達の手段としての子どもの言葉の指導はとても重要です。 「幼稚園に入ってから言葉が乱暴になった」時に聞かれることですが、これは入園までは主に母親との会話に使っていた言葉から、子どもたち同士の活動の中で、調子のいい言葉に脱皮していくことでもあり、遊びの中でのダイナミックな動きやムードにも合う言葉でもあるのです。もちろん言葉遣いの指導は必要ですが、しかしそれは最初から頭ごなしにすると、友だちとの遊びに生きる言葉の芽を摘んでしまうことになるとも考えられます。子どもたちの集団が育ってから「気持ちのよい言葉」「きれいな言葉」を調和的で、生活を気持ちよくするためのものとして提供し、指導していきたいと思います。 幼児期の語彙数は、満5歳で約1050語程度だといわれています。 それが小学生になると5000語〜10000語、中学生で20000語〜40000語、高校生で40000語〜45000語、大学生では45000語〜50000語程になるそうです。たくさんの語彙をもっている子どもは、当然知識が豊富だということになります。この語彙を豊かにするためには、物語を読み聞かせ、絵本に親しませること、そして家庭での言語環境が重要なことはいうまでもありません。子どものお守りをテレビにさせていると、もちろん子どもは喜んで視聴するのですが、それはテレビから一方的に流れる動画や音声だけであって、そこには双方向の会話は当然ありません。語彙が1000語程度の幼児期には、一方通行の会話では、語彙を増やし知識を増やすことにはなりません。 幼児期は最も知的好奇心が旺盛な時期です。子どもたちの「なぜ?」や「どうして?」に親や教師が的確に答えてやることによって、子どもたちは語彙を増やし、知識を増やし続けることができます。 いま子どもたちは、自分の経験による知識と、親や友だち、教師から得る知識を最大限に活かしながら、新しい言語生活に踏み出しているのです。 |
園長 遠山 和良 |
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