えんちょうのへや |
『KINDER GARTEN』 |
せいし通信 2月号 |
毎月、この「せいし通信」をお届けしていますが、この通信の表紙に文字のデザインで「SEISHI KINDER GARTEN」と書かれています。耳慣れない言葉だと思いますが、これは「幼稚園」という言葉の産みの親、フリードリッヒ・フレーベルが1840年、58歳のときに考案した言葉です。「KINDER GARTEN」とは、ドイツ語で「子どもたちの庭」という意味になります。英語にすると「kidies garden」とでもなるのでしょうが、この言葉はそのまま英語にも使われています。 フリードリッヒ・フレーベルは、1782年にドイツのチューリンゲンに、五人の兄姉の末子として生まれました。彼の生後、母親はすぐに亡くなり、厳格な牧師である父は聖職の職務に多忙な上、後妻の母はフレーベルにとって、よき理解者ではありませんでした。特に弟が生まれてからは冷遇され、寂しさの中に幼児期を過ごしたようです。 彼は、23歳の時に模範小学校の教師となり、その年にはスイスに教育家ペスタロッチの学園を訪れ、その教育思想に大きな影響を受けました。そして57歳の時に、ブランケンブルグで、村の6歳以下の子どもを40人程集めて「遊戯と作業教育所」と名づけて幼児の教育をはじめることになり、これが今日の幼稚園の始まりになったのです。 フレーベルは、子どもの教育について「子どもたちは自ら伸びる芽をもっている。外から大人が子どもの能力を無理に引っ張り上げたり、干渉したりせずに、適当な環境を作り、自然に自発的に成長させるべきであり、教師は土地を耕し、適切な肥料を与える園丁である」と言っています。 幼児期は、自分の生活から離れて、知識や技能を一方向的に教えられて身につけていく時期ではありません。その生活の中で自分の興味や欲求に基づいた直接的で具体的な体験を通して、人間形成の基礎となる豊かな心や物事に自分から関わろうとする意欲などが培われていく時期なのです。この時期の教育は、生活をとおして幼児が周囲に存在するあらゆる環境からの刺激を受けて、自分から興味をもってその環境にかかわることにより、充実感や満足感を味わうという体験が重視されなければなりません。 本来人間としての生活や発達は、周囲の環境との相互関係によって行なわれるもので、それを切り離して考えることはできません。特に幼児期は心身の発達が著しく、環境の影響を大きく受ける時期です。ですから、この時期にどのような環境のもとで生活し、その環境にどのようにかかわったかが、将来にわたる発達や人間としての生き方に重要な意味をもつことになります。こうした幼児期の特性から、幼稚園教育要領にも「幼稚園教育の基本」として「幼稚園教育は環境を通して行なうものである」ことが明らかにされています。もちろんこの環境とは、幼稚園教育のねらいが実現するように、また幼児が必要な体験を積み重ねていくことができるように、計画的に構成された教育的に価値のある環境のことです。 |
園長 遠山 和良 |
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