せいし 幼稚園
 
 えんちょうのへや
 
 
子どもたちは いま ・ ・ ・
 
 『小さなコンサート』
せいし通信 夏休み特集号

 せいしでは、毎月ピアニストの片岡先生と私で、各学年ごとに小さなコンサートを開いています。毎月の歌を私が歌って子どもたちに聴いてもらい、季節や行事に合ったピアノ曲を片岡先生が演奏します。この小さなコンサートは1990年の12月にスタートして、もう21年を超えて続いています。当初は声楽家の川口雪子先生と片岡先生のコンビでのコンサートだったのですが、12年前に川口先生が49歳という若さで召天されてからは、歌は私が引き継いでコンサートが続いています。

 7月の歌は、年少組が「にゅうどうぐも」、年中組は「おひさまはアイロン」、年長組は「ヨットのうた」。それぞれの曲にちなんだ話を交えながら演奏します。子どもたちには、歌うから聴いていてねといって歌い始めるのですが、特に年少組は前奏が始まると急に目が輝いてきて、一緒に歌いだす子どもたちがたくさんいます。聴いていてねといわれても、前奏が始まると歌うモードのスイッチが入ってしまって、つい歌いだしてしまうのでしょう。 

 歌を歌うこと、つまり発声は、声帯を縮めたり伸ばしたりしながら、呼気が声門を

通過するときに声となります。子どもの声帯は大人の1/2 1/37.5mmほどしかありません。また肺活量も大人の1/3程度です。ですから、子どもの声域は大人ほど広くはなく、また一息で歌えるフレーズも短いことが理解できます。子どもの声域は、ピアノでいえば中央の一点ハの「ド」から一オクターブと全音上の「レ」までの音域ぐらいです。年少組はこれよりさらに声域が狭く、音の高低感も完全に備わっている訳ではありません。せいし幼稚園の、毎月の歌を含む「子どもの歌」シリーズ(全7巻)は、この子どもたちの声の実態や成長に沿って選曲、編集していますので、子どもたちにピッタリの歌集ではないかと思います。

 ピアノの演奏は、ムソルングスキーの「展覧会の絵」やショパンの「子犬のワルツ」「雨だれ」のような情景描写的な音楽(子どもたちの想像力が掻きたてられやすい)を中心に、ピアノデュオやマリンバ、フルート、ヴァイオリンなどの楽器との演奏も取り入れています。ピアノは楽器の王様とも言われます。7オクターブを超える音域をもつ楽器はピアノだけです。どのような楽器よりも低い音と、高い音を出すことができます。(ピッコロの最高音はピアノの最高音と同じ高さの音を出すことができる)そして繊細な音から重厚な和音の響きまで、技術を駆使すればあらゆる演奏が可能です。また、ハンマーが弦をたたいて音を出すので、打楽器的に使うこともできます。

 7月の小さなコンサートのテーマは天の川と遊園地。天空にかかる銀河を現したピアノ演奏が始まると、丁度七夕の織姫や彦星の伝説を聞いて、七夕飾りを作っていたりしていた子どもたちは星空にその思いを馳せていたようです。そして遊園地をテーマにした曲では、ティーカップに乗ったり、ゴーカートに乗ったりと、想像の世界で楽しく遊んでいたようです。

 想像の世界で遊ぶことは、子どもたちにはとても大切なことです。絵本を読むこと、ごっこ遊びをすること、砂場遊びをすることも想像の世界での遊びということができます。そしてそれは子どもたちの感性を育て、やがて知的な世界へと子どもたちを誘ってゆくのです。

 園長   遠山 和良
 
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