せいし 幼稚園
 
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子どもたちは いま ・ ・ ・
 
『菜の花
せいし通信 春休み号

 今年も313日に第79回卒園式を無事執り行うことができました。年長組56名の子ども達が全員揃って、元気に、笑顔でせいし幼稚園を巣立っていきました。よく晴れた空の下、卒園式の看板と菜の花の花束の前で、家族や友だちと記念写真を撮っている姿を微笑ましく見ていましたが、同時に寂しい気持ちにもなりました。

 さて、毎年卒園式の看板の前には菜の花を飾っていますが、この菜の花、実は買ってきているものではありません。職員が摘みに行っているものなのです。今回はその「菜の花」についてのお話です。

数年前までは、菜の花は筑後川の堤防一面に咲いていて、春の訪れを象徴する風景でした。しかし最近、堤防一面の菜の花畑をあまり見なくなったと思いませんか?

実は、堤防などに咲いている菜の花は「セイヨウアブラナ」という外来種で繁殖力が強く、堤防の弱体化を招くことになっているそうなのです。もともとセイヨウアブラナは越年生一年草で、食用油の原料として世界中で広く栽培されています。原産は、北ヨーロッパからシベリアにかけての海岸地帯で、日本には明治時代初期に栽培用として輸入されました。その菜の花がどうして堤防を弱体化させるのでしょうか。

菜の花は秋になると土の中でカブ状の根を形成してその養分で越冬するのですが、やがてその根が腐り土壌の腐植土化が進むことにより、堤防が弱体化すると考えられています。そして、その腐植土に大量のミミズが発生し、それらを捕食するモグラやネズミなどが集まり、彼らが開けた穴が堤防の緩みにつながること。さらには、それらの小動物を捕食するキツネが集まりやすくなり、緩んだ堤防が巣穴を掘るには恰好の条件となっているということで、ますます堤防の弱体化が進んでいくものと考えられています。

このような研究結果がでた事や、近年の豪雨災害の増加などにより堤防の強化が急務となっている事から、堤防に繁殖する菜の花の駆除が行われるようになりました。これが、堤防から菜の花畑が消えた理由です。

このため、以前は近隣の堤防へ摘みに行けば簡単に用意することができていた卒園式の菜の花を、我々職員はより遠くまで探しに行く羽目になりました。それでも、卒園式という旅立ちの日を迎えた子ども達へのはなむけになればと、思いをこめて可能な限り菜の花摘みを続けていきたいと思っています。

余談ですが、今年は幼稚園でも菜の花の栽培を試みました。二種類の品種の菜の花を育ててみましたが、今年の冬が暖かかったせいか、ひとつは卒園式の日にはほとんど花が散ってしまい、もうひとつは花よりも茎や葉の方が立派に育ってしまいました・・・。

園長 遠山 純史
 
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