１０月の年長組の歌は「くもさん」　〜 くもさんがくもさんと光って並んで飛んでいく そう思ってぼく来てみたのに くもさんはどこへいっちゃったお空にはくもさんの通ったあともないただ青く風が吹いてる〜（作詞：すごうひろし）作曲者は「サッちゃん」や「犬のおまわりさん」でお馴染みの大中恩さん。

大中先生とは何度か演奏会でご一緒して、20年ほど前には大中先生が「作曲家生活50周年の記念コンサートをやるので出ておいで !!」といわれて東京に出かけていったこともありました。その大中先生も今年93歳、お元気にお暮らしのようです。

　秋になって、空気が澄んで空が高くなりました。夏の間でていた見事な入道雲を見て、私が子どもたちに「ソフトクリームみたいだね」というと、それを聞いた年長組の男の子が「雲ってゴミが混ざってできているから食べられないよ !!」まあ確かに雲ができるには、海水のしぶきの塩や火山の噴煙、工場の煤煙など、雲の核が必要で、その核に水蒸気が付着して雲に成長します。ソフトクリームに同調して欲しくていった訳でもないのですが、その子の知識に驚くと同時に、心の中で「これじゃ、先生と子どもの立場が逆じゃん !!」とブツブツ。

　雲はその形と現われる高さによって10種類に分類されます。10,000mの上層で、巻雲（すじ雲）、巻積雲（ウロコ雲）、巻層雲（うす雲）、5,000ｍ付近の中層で、高積雲（ひつじ雲）、高層雲（おぼろ雲）、乱層雲（雨雲）、地表から2,000メートル付近では、層積雲（くもり雲）、層雲（きり雲）、積雲（わた雲）、積乱雲（入道雲）の10種類です。　巻雲は、筆で刷いたような形が特徴的で、積雲はモコモコとした雲、層雲は空を覆うような雲のことです。ですから層積雲とは、モコモコとした雲が切れ目なく空を覆っている状態の雲になります。

　自然現象や生物の様子などから天気の変化を予測する事を「観天望気」といいます。

猫が顔を洗うと雨、カエルが鳴くと雨、といった言い伝えもその類ですが、雲の形や性質を覚えて、空を見上げた時に何の雲であるかを判断できれば、天気の変化をある程度予測できるようになります。

　日本の天気はほぼ西から東へと変化しますので、夕焼けの次の日は晴れる場合が多いのですが、巻雲（すじ雲）は低気圧の接近を示しているので半日後くらいには雨、巻積雲（うろこ雲）、巻層雲（うす雲：太陽や月の周りに笠をつくる）も半日後の雨を知らせてくれます。高積雲（ひつじ雲）が西から東へ流れると天気は崩れ、その逆に東から西へ流れれば天気はよくなる。積雲（わた雲）がでている間は天気は崩れない、などです。

　天候のパターンとしては巻雲( すじ雲）⇒巻層雲( うす雲）⇒高層雲( おぼろ雲）⇒乱層雲(雨雲）という雲の移り変わりで雨になることが多いとされます。ただ前述したように、天気は西から東へと移動するので、乱層雲が空を覆っていても、西の空に青空がのぞいていれば天候は回復することになります。よく見かける飛行機雲は、飛行機の排気ガスの水蒸気が冷やされてできる雲です。その飛行機雲は湿度が低いとすぐ消えてしまいますが、高いと長時間雲として空に浮かんでいます。ですから飛行機雲が長時間見えるときも天候が崩れる前兆です。

　秋の澄んだ空を見上げながら、いろいろな雲の様子やお天気について子どもたちとお話してみてください。