えんちょうのへや |
『カブトムシVSクワガタムシ』 |
せいし通信 9月号 |
夏休みが終わりました。夏休み期間中も課外の美術教室やスポーツクラブ、夏休みの預かり保育の幼稚園の子どもたちや小学生が入れ替わり立ち代りやってきて、幼稚園に子どもたちの姿が見えなかったのは、お盆の期間中の三日間だけで、夏休みの幼稚園の主役はアブラゼミやクマゼミの声だった時代とは隔世の感があります。 幼稚園にやってくる子どもたちの虫かごにはセミやカマキリが入っていたり、カブトやクワガタムシが入っていたりします。でもやはり夏の虫の主役はカブトムシ、若しくはクワガタムシのようで、子どもたちの人気も二分されています。 子どもたちの間でも時々話題になる、カブトムシとクワガタムシではどちらが強いのか? 調べてみると、カブトムシは甲虫目コガネムシ科カブトムシ亜科に属し、クワガタムシは、甲虫目クワガタムシ科に属しています。この時点では一つの科を有しているクワガタムシの勝ち(?)。 カブトムシは世界に約1000種がいて(うち角があるのは約50種)、日本にはカブトムシ、コカブトムシ、タイワンカブトムシ(石垣島のみ)、クロマルコガネ(コガネといってもカブトムシで、鹿児島県のトカラ列島だけに生息)の4種がいます。 世界三大カブトムシといえば、まず子どもたちの憧れの的の中南米に生息するヘラクレスオオカブト。全長14cm前後、最大で18cmもあってカブトムシとしてだけでなく、甲虫全体でも最大。それに体だけならカブトムシ中最大のゾウカブト、南米に住み、全長は10〜12cm。そしてインドシナ半島、マレー半島にかけて住むアトラスオオカブト、全長8〜12cm。この3種が世界三大カブトムシといわれています。 一方、クワガタは世界に1200種、日本にも約30種が生息しています。オオクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、ヒラクワガタなど。世界最大のクワガタは、フィリピンのパラワンヒラクワガタの仲間で全長11cm。でも世界三大クワガタとは聞かないので、大きさ、容姿ではカブトムシの勝利(?). 日本にすむカブトムシとオオクワガタ。そのカブトのオスは1〜3pある角を除いた体長が3.8p〜5.3p。メスは角がないことを除けばオスとあまり変わらず、平均で3oほど小さめです。片やクワガタのオスは全長3.2p〜7p前後でメスは全体に小さめです。大アゴはオスにもメスにもありますが、やはりメスのは小さい。クワガタの大アゴはアゴが発達したものであることに対して、カブトの角は皮膚が硬くなったものです。 カブトもクワガタも夜になるとクヌギやナラなどの木にやってきて樹液をなめます。そこで当然カブトやクワガタたちの間で争いが起きます。(ちなみにノコギリクワガタが特にケンカ好き)カブトは角を相手の体の下に入れて、持ち上げて投げ飛ばし、クワガタは大アゴで相手をはさみ、ひねり飛ばします。(世間の評判ではこの勝負はややカブトムシが優勢のよう) カブトとクワガタでは、その人生も大違いです。カブトの幼虫は2回脱皮して三齢幼虫となって冬を越し、翌年の初夏にサナギとなり、20日ほどで羽化して成虫となります。そして交尾後また産卵後にその一生を終えます。つまり成虫であるのは一ヶ月程度、寿命も一年なのです。 かたやクワガタは、2回脱皮して三例齢幼虫として越冬。翌年の夏から秋にかけてサナギになり、成虫になってもなんとそのまま越冬。三年目の夏にようやく成虫デビューし、交尾、産卵を終えても死なずに成虫となった後も3年ほど生きています。(寿命の点ではクワガタに軍配) こうしてみると、カブトVS.クワガタは優劣つけがたく、引き分けということで夏休みの幕引きといたします。 メデタシ、メデタシ !! |
園長 遠山 和良 |
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