たいちょうのへや |
『心の栄養』 |
せいし通信 3月号 |
人間性脳科学研究所々長の澤口俊之氏の著書に「幼児教育と脳」という優れた本があります。脳科学の観点から子育てや教育をめぐる問題が論じられています。この本の中の一文ではないのですが、彼の別の著書の中に、特にお母さんたちにも覚えておいていただきたい一節がありましたので、ここに記しておきたいと思います。 栄養不良の子どもの知能指数、IQを測った研究がありますが、驚くことにその全てでIQが100以下だったのです。IQは低くてもかまわないという意見もあるかもしれません。多少IQが低くても、きちんとした人間になればよいという見解もあるでしょう。しかし、IQは社会的成功に深く関係することが分かってきています。幼児期での栄養不足は、神経回路の未発達、のみならずIQに悪影響を及ぼし、長じてからの社会的成功にまで悪影響を及ぼす可能性があるのです。 ここでいう栄養不良とは「栄養失調」とは違います。栄養失調は現代の日本では稀かもしれませんが、栄養不良は飽食日本でも意識しないと平気で起こりうることなのです。「栄養不良」とは脳の発達にとって必要な栄養素を適切に摂っていないということだからです。食事に偏りがあるだけで栄養不良になりかねないのです。 ではどんなものを食べればよいのでしょうか? 詳しいことは割愛しますが、食物は「まごにやさしい」が基本です。 ま=豆類、ご=ごま類、は(わ)=ワカメなどの海藻類や=やさい、さ=さかな、し=椎茸などのキノコ類、い=イモ類です。これらの食べ物をバランス良く摂ることで、脳にとって必要な栄養を過不足なくとることができ、神経回路もきちんと育ちます。特に豆類に多く含まれるレシチンは脳内でアセチルコリンに変化して、神経回路の発達に重要な働きをします。また魚(特に青魚)に多いDHC(ドコサヘキサエン酸)も神経科路の働きをよくして知能を高めるのみならず、安定した脳の活動(心)を生みます。栄養というものはつい軽視しがちですが、幼少期のころには十分に注意しないと脳はうまく発育せず、知能を含めた心の活動も劣ってしまうことになりかねないのです。』という一節です。 「心の栄養」とは、とりもなおさず「脳の栄養」ということにあります。この一節は もちろん心(脳)は、食物の栄養のバランスさえよければよいというものではなく、子どもにとって充実した家庭環境や社会環境が必要であることはいうまでもありません。 |
理事長 遠山 和良 |
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