せいし 幼稚園
 
 えんちょうのへや
 
 
子どもたちは いま ・ ・ ・
 
 『夏休み雑感』
せいし通信 9月号

 それにしても今年の夏の暑さは異常でした。連日35℃を越す猛暑日が続き、幼稚園の草花たちもげんなりした様子で元気がありません。

毎年恒例なのですが、今年も先生たちと夏休みを利用して、一泊の小旅行に出かけました。今年は暑いので阿蘇の白川水源で涼をとり、阿蘇山を経由して由布院で一泊の行程です。阿蘇の伏流水が毎分60tも湧き出す白川水源の湧水は、青く冷たく、ひと時の涼を得ることができました。そういえば、人口50万人を超す熊本市の水道の水源は全て地下水でまかなわれているとのことです。改めて阿蘇の自然の雄大さを感じました。

 数年前に、この白川水源の比較的近くにある「葉祥明阿蘇高原絵本美術館」を訪れたことを思い出しました。いま私の手元には、そのとき求めた一冊の絵本があって、阿蘇の小高い草原に建つ北欧風の瀟洒な美術館が脳裏に浮かんでいます。葉祥明氏は、熊本生まれの画家、絵本作家で、197226歳の時に、はじめての絵本「ぼくのべんちにしろいとり」を出版。その後1990年に創作絵本「風とひょう」で、イタリア・ボローニャ国際児童図書展グラフィック賞など数々の絵本関係の賞を受賞。 彼の絵や絵本は一度はご覧になったことがあるのではないかと思いますが、パステル調の柔らかいタッチの絵、そして絵や絵本に添えられた言葉も、見る人の気持ちをやわらげ、何だかふんわりとした優しい気持ちにさせてくれます。

広々とした海辺に立つ、麦藁帽子をかぶり、おなかの赤ちゃんに優しく手をそえて佇む若い女性。柔らかな海辺の風がその女性の髪やスカートの裾をなびかせ、遠くに一羽のカモメが飛んでいます。そのカモメは、やがて生まれてくる赤ちゃんを象徴しているのでしょうか。この「おなかの赤ちゃんとお話しようよ」という絵には次のような言葉が添えられています。

〜赤ちゃんはすべてを覚えている。生まれる前、まだ、おかあさんのお腹にいたころ、おかあさんがどんなことを語りかけてくれて、どんなふうに愛情を注いでくれたか‥。     赤ちゃんは、意味もなくこの世に生まれてくるのではない。すべての赤ちゃんが、各々、  大切な人生の目的をもって生まれてきた。そして、その実現のために。最もふさわしい母親として、あなたを選んだ。〜

  子どもの絵本について、

〜子どもたちは目的をもってこの世に生まれてきた。そして、その人生の最初に出合う本が、絵本。子どもたちにとって絵本はとても大切なものだ。僕は、絵本を通して、美と夢、愛と思いやり、平和や祈りの心を伝えていきたい。〜

  そして彼の詩には、

〜あなたは今日微笑みましたか? 歓びを感じましたか? 優しい心になれましたか?  そして、美しいものに心を向けましたか? 〜

 一日に何度も微笑みたくなり、一日に何度も歓びを与えてくれ、一日に何度も優しい心にさせてくれ、存在そのものが美しい。 彼の詩をすべて満たしてくれる子どもたちが、夏休みを終えて幼稚園にもどってきます。子どもたちはどのような夏休みを過ごしたのでしょうか?。目をキラキラ輝かせながら、夏休みの思い出を話してくれる子どもたちとの再会が楽しみです。

 園長   遠山 和良
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