たいちょうのへや | ||
『作品展』 | ||
せいし通信 2月号 | ||
2月18日(日)は「作品展」。子どもたちは、いま作ることに夢中になっています。「作る」ということは、自分の思いや、興味、意欲を形に表すことです。もちろん、形に表したくても、見たり、聞いたり、触れたりする直接体験や、いままでの技術的な積み重ねがなくてはうまくいきません。技術的な積み重ねとは、描画や製作のための教師からの基本的な技術の伝達の他に、子どもたちの遊びの中で培われたもの、それは砂遊びや泥んこ遊び、絵の具、クレパスを使ってのなぐり描きや折り紙遊び、積み木遊びなどの遊びです。そしてその延長が、作品展の子どもたちの描画、粘土や紙工作などの造形の作品群になります。 子どもたちの作品は、素晴らしいものばかりです。是非、年少組から順番に見てください。3歳児の作品が一番面白いという人もいます。3歳児の作品は、人に見られるという意識もなく、のびやかに自分の感情が表現されています。3歳児は、この感性が最も大切にされなければならない時期です。4歳児は、この3歳児と自分の個性を表現しようとする5歳児の狭間にあって、難しい時期なのですが、やがて伸びようとする確かな個性の芽生えがあります。5歳児になると、自分の表現方法がより豊かになり、個性あふれる作品が生み出されています。この作品(表現)は、子どもたちの夢と感動で生まれています。そしてそれが子どもたちの個性なのです。 子どもたちの作品は、芸術を学ぼうとして生まれたものではありません。模写や写生などとは異なる次元のものです。その表現はプリミティズム(素朴主義)そのものです。その素朴で純粋な表現であるからこそ、私たちを感動させるのです。 その反面、幼稚園の生活の中では、本来はこの作品に至るまでのプロセスが一番大切で、できあがった作品(結果)は、子どもたちにとって、さほど重要なことではありません。つまり作品に至るまでに、どのような素材と出会い、それをどう生かして自分の表現手段として獲得したのか、また周りの友だちや教師にどのように係わり、影響を受けあい成長したのか、それが最も重要で、このことが「遊びを通しての総合的な指導」という幼稚園教育の根幹なのです。勿論、子どもたちの思いが詰まった作品が大切にされなければならないことは言うまでもありませんが、どうぞこのことも頭の隅っこに置いて作品展をご覧いただきたいと思います。 教師は子どもたちと共に生活し、喜びや感動を共有することのできる幸せを与えられています。子どもたちの活動を見守り、子どもたちにとって自由で集中できる環境を作り出しながら、教師自身も同時に活動しているような充実感や満足感を子どもたちと共有しているのですから、その産物である子どもたちの「作品」を大切に思うことは、子ども自身を大切に思うことにもなるのです。 その先生たちは、いま子どもたちの作品をどのように展示するのか、少しでもその作品を大切にしたい、効果的に美しく見て頂きたい、と頭を悩ませているようです。子どもたちの作品の中に座り込んで、一点一点眺めている先生には、それに夢中で取り組んでいた時の子どもの姿が浮かんでいるのでしょう。 |
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理事長 遠山 和良 | ||
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