火山ガラス粒子の加熱発泡

出典:シラス中の火山ガラスの加熱発泡性について、木村邦夫・浜野健也、窯業協会誌、84 [2] 71-75(1976)


加熱発泡機構モデル

風化によりNa+が H+と交換している表面層       

   クリスタリット等の不純物           溝状亀裂
@室温A500°CB900°C C950°C D1000°C    E発泡終了

加熱ステージによる観察

粒度:約 0.2mm
昇温速度:約1000°C/min

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@火山ガラス質堆積物に含まれる火山ガラス自然粒を加熱すると、
A約 500°Cで表面層のHイオンが粒子外に拡散し、収縮のため表面に亀裂が発生する。
B約 900°Cになると、Naイオンの濃度勾配があるため、粒子の内部が表面層より先に軟化し、クリスタリットやミクロポアなどの異物を核として気泡が発生し、両端はひれ状になる。
C約 950°Cでは、表面層は Naイオンが少ないため硬いので、粒子の端面付近に気泡が発生しても、気泡は内部のひれ状の方向に膨張を続け、
D約 1000°Cになると、表面の硬い層が発泡体の表面層となり、また、表面層だけ硬いので球形となり、
E表面層の亀裂の部分を両側に広げるような形で膨張する。