加熱発泡体 (シラスバルーン) の製造
微細中空球状体は、軽量・断熱材の原材料、塗料、プラスチックの軽量充填・増量材などとして使用され、資源・エネルギーの節約に寄与している素材です。
この微細中空球状体は、大きく分類すると、無機系と有機系に分類されます。無機系の中では、シラスバルーンのような天然原料を用いるものと、ガラスマイクロバルーン・アルミナバブル等の人工原料を用いるものとが生産されています。また、有機系ではフェノールバルーン等が生産されています。 天然の火山ガラス質堆積物を原料とするシラスバルーンは、特許出願* 1年後に、企業化に成功し、当所が命名したシラスバルーンの商品名で出荷され始めました。 シラスバルーンは、順調に生産量が増加し、現在、 国内10社 で数多くの銘柄が生産され、その生産量は、真珠岩を原料とするパーライトの推定生産量の約1/10の約2万トンと言われています。 *微細中空ガラス球状体の製造方法、1970年に当所から出願、1974年に登録、特許第 737479号 |
製造工程の一例
原料(採掘状況参照)を選鉱処理して結晶質を除いたもの、あるいは天然でガラス質が濃縮された二次堆積物を、製品の目標粒度に応じて粒度調整し、これを 960〜980°Cで短時間焼成を行うとシラスバルーンが得られます。さらに、焼成物から未発泡物を除去すると、より軽量のシラスバルーンが得られます。
製造工程によると、原料は空気とプロパンガスに随伴されて熱媒体流動層炉内に供給され、焼成物は冷却されて捕収されます。なお、焼成物から未発泡物を除去する方法として、水中浮沈分離を行っている企業もあります。 |