火山噴出物は、火山ガス、溶岩、火山砕屑(せつ)物の3種に大別されます。火山ガラス質堆積物とは、火山砕屑物に分類される主に第四紀に噴出した軽石流の堆積物、あるいはガラス質凝灰岩と呼ばれるものです。
軽石流は、カルデラ形成に伴って放出されるため、阿蘇、姶良、支笏、十和田、洞爺等の大規模なカルデラ周辺に厚く堆積しています。ガラス質凝灰岩は、各種の放出物が集合膠(こう)結してできた火山砕屑岩のうち、ガラス破片の大きさが4mm以下のいわゆる凝灰岩に分類されるもので、各地に堆積しています。 我が国の火山ガラス質堆積物の埋蔵量(堆積物の分布と堆積量参照)は、約2千億トンと推定されています。 九州工業技術研究所 (現、産業技術総合研究所九州センター)では、過去 25 年以上にわたって、各地に産出する 火山ガラス質堆積物 を調査し、加熱発泡体(シラスバルーン)原料としての適正評価を行いました。 このデータベースでは、調査試料の粒度分布、化学分析値、粉末X線回折による鉱物の同定および熱天秤分析による熱重量等のオリジナルの実測データを公開しています。 これらの原料を用いて、国内では、シラスバルーンが年間約2万トン生産され、主に、軽量建材の充填素材として利用されている他、塗料、パテ、紙粘土等の軽量化充填素材としても利用されています。シラスバルーンの生産状況、その粒度分布、密度等の物性等についても公開しています。 なお、このデータベースは、産業技術総合研究所サステナブルマテリアル研究部門在職中に作成しました。2006年3月/ 木村邦夫 kmr@kumin.ne.jp/改訂:2016年3月 |
|