VSI研究会規格

 シラスバルーンが企業化されて既に20年を経過し、その用途も、建材、塗料、紙粘土など多岐にわたっており、工業原料・素材として、一定品質規格のものが安定供給されることが強く求められるようになった。
 そこで、研究会では平成3年末に「シラスバルーンのJIS制定の要望調書」を通商産業省工業技術院標準部に提出した。審査を経て、研究会が原案作成の委嘱を受けることになった。 平成4年5月、研究会内に標準規格委員会を設置し、平成4年8月の本委員会、9月、11月の分科会、平成5年1月の本委員会を経て、3区分のかさ密度(タップ充填)と12区分の粒度の組み合わせからなる「シラスバルーンの標準規格案」が作成された。
 この標準規格案は、日本工業規格として認知されるのが最善と考えられるが、最近の国際化、ISO規格との関連性等の問題もあり、工業技術院標準部は、このままの形での日本工業規格への提案は困難であるとの考えを示した。
 そこで、平成7年5月の研究会総会において「VSI研究会規格」として提案し、承認された。

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UDC 666.189:691.49
VSI研究会規格 VSI0001-1995

シラスバルーン
SHIRASU-balloons

1.適用範囲
 この規格は、軽量・断熱材の原材料、建材、塗料・塗材、陶磁器、プラスチックの軽量化のための充填・増量材などとして使用されるシラスバルーンについて規定する。
2.製造方法
 シラスバルーンは、火山ガラス質堆積物あるいはガラス質凝灰岩などを解砕・ふるい分けし、焼成・膨張させて製造する。
3.種類および呼び方
 シラスバルーンの種類は、かさ密度及び粒度によって区分する。
3.1 かさ密度
 かさ密度による区分は、4.によって試験したとき表1のとおりとする。
表1 かさ密度による区分
記号かさ密度(g/cm3
0.10.20 未満
0.30.20 以上 0.40未満
0.50.40 以上 0.60未満

3.2粒度
 粒度による区分は、4.によって試験したとき表2のとおりとする。
表2 粒度による区分(ふるい残分(wt%))
記号45µm150µm300µm
A10 未満1 未満
B10 未満1 以上
C10 以上 50 未満1 未満
D10 以上 50 未満1 以上 10 未満
E10 以上 50 未満10 以上
F50 以上1 未満
G50 以上1 以上 10 未満
H50 以上10 以上 50 未満
I50 以上1 未満
J50 以上1 以上 10 未満
K50 以上10 以上 50 未満
L50 以上
3.3 シラスバルーンの呼び方は、下記の例のように、かさ密度の区分記号、粒度の区分記号の順に併記する。
 例:0.1C シラスバルーン
4.試 験
4.1試料採取方法
(1)気乾状態のもの1袋から試験に必要な試料を、四分法又は試料分取器によって縮分し、採取する。
(2)かさ密度測定に用いる試料は、粒度による区分記号A〜Eの試料の場合は50〜60ml、記号F〜Hの場合は100〜120ml、記号I〜Lの場合は250〜300mlまで縮分したものとする。
(3)粒度測定に用いる試料は、呼び寸法45µmの標準ふるいを用いる場合は50〜60ml、呼び寸法150µmの標準ふるいを用いる場合は100〜120ml、呼び寸法300µmの標準ふるいを用いる場合は150〜200mlまで縮分したものとする。
4.2共通事項
 数値の丸め方は、JIS Z8401による。
4.3かさ密度 
4.3.1装置及び器具
(1)化学はかり:0.01gのけたまで量れるもの。
(2)メスシリンダー:JIS R3503に規定する容量100ml、200ml及び500ml。粒度による区分記号A〜Eの試料の場合は100ml、記号F〜Hの場合は200ml、記号I〜Lの場合は500mlのメスシリンダーを用いる。
(3)タッピング装置:タップ高さ10〜20mm、タップ速度50〜100回/min、タップ回数200回のもの。
4.3.2操作
(1)試料の質量を0.01gのけたまで量り、全量を規定容量のメスシリンダーに移す。
(2)試料表面を平にした後、タッピング装置にかける。
(3)200回のタッピング終了後、体積をメスシリンダー容量の100分の1のけたまで正確に読み取る*。
*注)試料表面が斜めになっている場合は平にして読み取る.読み取った容量(ml)を体積(cm3)とする。
(4)以上の(4)〜(3)の操作を2回繰り返す。
4.3.3計算
 かさ密度は、次の式によって算出し、2回の測定値を平均して、小数点以下2けたに丸める。
 D=S/V
 ここに、D:かさ密度(g/cm3)、S:試料の質量(g)、V:体積(cm3
4.4 粒度 
4.4.1 装置および器具
(1)乾燥器105±2℃の温度に保てるもの。
(2)化学はかり0.01gのけたまで量れるもの。
(3)標準ふるいJIS Z8801に規定する呼び寸法45µm、150µm及び300µmの標準ふるいで、
 枠の内径が200mmのもの。
4.4.2 操作
(1)試料の質量と、乾燥したふるいの質量を0.01gのけたまで量る。
(2)表3の区分に必要なふるいに、試料の全量を入れ、JIS Z8815の湿式ふるい分けによりふるい分ける。散水ノズルに供給する水の圧力は70±10kPaとし、試料がほとんどふるいを通らなくなるまで水洗する。
(3)残分をふるいごと105±2℃の乾燥器に8時間以上入れて乾燥する。
(4)室温まで放冷し、ふるい及び試料の残分の全質量を0.01gのけたまで量る。
(5)以上の(1)〜(4)の操作を2回繰り返す。
4.4.3 計算
 ふるい残分は、次の式によって算出し、2回の測定値を平均して、整数に丸める。
 P=(m1-m0)/S×100
 ここに、P:ふるい残分(wt%)、m1:ふるいおよび試料の残分の全質量(g)、
 m0:空のふるいの質量(g)、S:試料の質量(g)
5.検査
検査は、4.によって試験したとき、表1及び表1に適合しなければならない。
6.表示
包装の外面には、3.に規定した呼び方、容量および製造業者又は略号を明記する。
付表 引用規格
JIS R3503化学分析用ガラス器具
JIS Z8401数値の丸め方
JIS Z8801標準ふるい
JIS Z8815ふるい分け試験方法通則

参考 浮揚率の測定法

序 文
 この参考は、シラスバルーンの水中浮揚率及び静水圧浮揚率の測定法について記述するものであり、規定の一部ではない。
 
1.試 験 
1.1 試料採取方法
(1)気乾状態のもの1袋から試験に必要な試料を、四分法又は試料分取器によって縮分し、採取する。
(2)水中浮揚率測定に用いる試料は、20〜30mlまで縮分したものとする。
(3)静水圧浮揚率測定に用いる試料は、10〜20mlまで縮分したものとする。
1.2 共通事項
 数値の丸め方は、JIS Z8401による。
1.3 水中浮揚率
1.3.1 装置及び器具
(1)乾燥器:105±2℃の温度に保てるもの。
(2)化学はかり:0.01gのけたまで量れるもの。
(3)るつぼ形ガラスろ過器:JIS R3503に規定する2G4。
(4)ビーカー:JIS R3503に規定する呼び容量200ml。
(5)デシケーター:JIS R3503に規定するもので、乾燥剤としてシリカゲルを用いる。
(6)浮沈分離器:浮揚物と沈降物とが分離できる透明ガラス製もの。一例を図1に示す。
(7)吸引装置:ろ過に必要な吸引力をもつもの。
図1 浮沈分離器の一例
1.3.2 操 作
(1)試料の質量と、乾燥したるつぼ形ガラスろ過器の質量を0.01gのけたまで量る。
(2)試料の全量を200mlビーカーに移し、約100mlの水を静かに容器に注ぎ、静かに撹拌する。
(3)2時間静置した後、全量を浮沈分離器に移し、全容量を300〜500mlとする。
(4)浮揚物と沈降物の中間の水が透明になった後、浮揚物と沈降物とを分離する。
(5)浮揚物を、るつぼ形ガラスろ過器の中に流し入れ、吸引ろ過する。
(6)るつぼ形ガラスろ過器を、温度105±2℃の乾燥器に8時間以上入れて乾燥する.
(7)るつぼ形ガラスろ過器を、デシケーターに入れ室温まで放冷し、質量を0.01gのけたまで量る。
(8)以上の(1)〜(8)の操作を2回繰り返す。
1.3.3 計 算
 水中浮揚率は、次の式によって算出し、2回の測定値を平均して、整数に丸める。
 F=(m1-m0)/S×100
 ここに、F:水中浮揚率(wt%)、m1:ガラスろ過器および水中浮揚試料の全質量(g)、
 m0:空のガラスろ過器の質量(g)、S:試料の質量(g)
1.4 静水圧浮揚率 
1.4.1 装置及び器具
(1)乾燥器:105±2℃の温度に保てるもの。
(2)化学はかり:0.01gのけたまで量れるもの。
(3)るつぼ形ガラスろ過器:JIS R3503に規定する2G4。
(4)デシケーター:JIS R3503に規定するもので、乾燥剤としてシリカゲルを用いる。
(5)浮沈分離器:前記水中浮揚率の器具と同じ浮揚物と沈降物とが分離できる透明ガラス製もの。
(6)吸引装置:ろ過に必要な吸引力をもつもの。
(7)試料容器:図2に示すような内径20.0±0.5mm、高さ70.0±0.5mmの透明プラスチックパイプの上下に、網ふるいを挟んで、透明プラスチックパイプの内径以上の開口部を有する網固定リングが取り付け可能な構造とする.網ふるいはJISZ8801の呼び寸法32µm網ふるいを用いる。
図2 試料容器

単位mm
(8)加圧装置:試験容器高さの1.2倍以上の有効高さを有する耐圧10MPa以上の圧力計付のもので、8MPa以上の圧力が得られるもの。一例を図3に示す。
図3 加圧装置の一例(ガス加圧方式)
1.4.2 操 作
(1)試料の質量と、乾燥したるつぼ形ガラスろ過器の質量を0.01gのけたまで量る。
(2)乾燥した網ふるいを、底部の網固定リングで固定し、上部の網固定リングを外した状態の試料容器に、料を静かに移し、乾燥した網ふるいを上部の網固定リングで固定する。
(3)加圧容器に試料容器が完全に沈み得る量の水を入れる。
(4)加圧容器内水面に試料容器の底部の網ふるいを触れさせ、水が容器内を上昇するのを確認しながら徐々に水中に沈める。
(5)加圧容器を密閉し、1分間以上の時間をかけて加圧容器内の圧力を8MPaとし、その圧力で1分間以上保持する。
(6)圧力を開放し、試料容器を静かに取り出す。
(7)試料容器の上部の網固定リングを外してビーカー等の容器に洗い流す。
(8)全量を浮沈分離器に移し、全容量を300〜500mlとする。
(9)浮揚物と沈降物の中間の水が透明になった後、浮揚物と沈降物とに分離する。
(10)浮揚物を、るつぼ形ガラスろ過器の中に流し入れ、吸引ろ過する。
(11)るつぼ形ガラスろ過器を、温度105±2℃の乾燥器に8時間以上入れて乾燥する。
(12)るつぼ形ガラスろ過器を、デシケーターに入れ室温まで放冷し、質量を0.01gのけたまで量る。
(13)以上の(1)〜(12)の操作を2回繰り返す。
1.4.3 計 算
 静水圧浮揚率は、次の式によって算出し、2回の測定値を平均して、整数に丸める。
 H=(m1-m0)/S×100
 ここに、H:静水圧浮揚率(wt%)、m1:ガラスろ過器および水中浮揚試料の全質量(g)、
 m0:空のガラスろ過器の質量(g)、S:試料の質量(g)

付表 引用規格
JIS R3503化学分析用ガラス器具
JIS Z8401数値の丸め方
JIS Z8801標準ふるい

シラスバルーン解説

 この解説は、本体に規定した事柄、参考に記載した事柄、並びにこれらに関連した事柄を説明するもので、規格の一部ではない。
 
1.審議経過
1.1 規格の名称
 本規格の名称として、“微細中空ガラス球状体”の名称も考えられたが、人工原料から生産され、また、シラスバルーンとは化学組成も異なるものがあるため、採用しなかった。 人工原料から生産されているものと区別するため、通称として使用されている“シラスバルーン”の名称を採用した。
1.2 パーライト(JIS A5007)との関係
 シラスバルーンは、パーライトと異なり、火山ガラス質堆積物あるいはガラス質凝灰岩を原料として製造されており、品質的には、一部パーライト規格で規定されている範囲に含まれるものもあるが、全体としてはるかに微粒であり、用途も異なる場合が多いので、シラスバルーン単独の標準規格案を作成することになった。
1.3 浮揚率
 発泡の程度を表す指針としては、かさ密度の他に、直接水中に投入して浮揚する量を用いることがある。 液中に分散して複合材料を生産する工程などで、液に浮揚する割合が工程管理上、必要になる場合もある。 また、シラスバルーンのような微細中空ガラス球状体の強度を現す指標としては静水圧浮揚率がある。 これらの浮揚率の規格化に関しては、原案作成委員会で全会一致の合意を得なかった。 しかし、統一した測定法として残す必要性があることから、参考として記載した。
2.逐条解説
2.1 適用範囲
 規格に記載した用途以外に、化粧品、教材用紙粘土、爆薬の増感剤等、数多くの利用がなされているが、量的に多いものを例として記載した。
2.2 製造方法
 規格に記載した火山ガラス堆積物質あるいはガラス質凝灰岩は、北海道、東北、南九州地方等に広く分布している。 火山ガラス質堆積物は、北海道、東北地方では火山灰、南九州地方ではシラスと呼ばれている。 ガラス質凝灰岩は、産地により呼称は様々であるが、多くは白土と呼ばれている。
2.3 種類および呼び方 
2.3.1 かさ密度
 かさ密度に関する表現は、かさ密度、かさ比重、見掛け密度、見掛け比重、単位容積質量あるいは見掛け比容など様々である。 JIS A5007では単位容積質量、JIS K3362では見掛け密度、JIS K5101では見掛け密度または見掛け比容、JIS A6721ではかさ比重、JIS K6891では見掛け密度、JIS R6126ではかさ比重、JIS Z2504では見掛密度を採用している。 JIS Z8202では、付表3力学の表に密度、比重の記載があるが、注記として“比重はISO 31/3-1978には記載されていない”と記載されている。 このことから、本規格では、“密度”を採用した。 また、シラスバルーンのように中空の粒子は、見掛け密度の表現を用いると、1個1個の粒子の密度と混同される場合が多い。 一方、“粉体−理論と応用−”、“セラミック工学ハンドブック”等では、粉体を容器に充填した体積と質量から計算される密度は、“かさ密度”の表現を用いている。 このようなことから、本規格では、“かさ密度”を採用した。
 参 考
 JIS A5007-1977 パーライト
 JIS K3362-1990 合成洗剤試験方法
 JIS K5101-1991 顔料試験方法
 JIS K6721-1977 塩化ビニル樹脂試験方法
 JIS K6891-1977 四ふっ化エチレン樹脂成形粉試験方法
 JIS R6126-1970 人造研削材のかさ比重試験方法
 JIS Z2504-1979 金属粉の見掛密度試験方法
 JIS Z8202-1985 量記号、単位記号及び化学記号
 久保輝一郎、神保元二、水渡英二、高橋浩、早川宗八郎編“粉体−理論と応用−”p.341、丸善(1979)
 社団法人日本セラミックス協会編“セラミック工学ハンドブック”p.63、技報堂出版(1989)
2.3.2 粒度
 粒子の大きさと分布によってA〜Lの12区分とした。
2.4 試験 
2.4.1 かさ密度
 かさ密度は、静的測定方法と動的測定方法がある。JIS A5007では、静的測定方法を採用している。 一方、JIS K5101では、両者を採用しているが、顔料試験方法に関するISO規格では、動的測定法だけが規定されている。 シラスバルーンのように軽量・微粒のものは、静的測定法は、測定容器に充填する方法の差異により、かさ容積が著しく異り、また、再現性も悪いので、動的測定方法を採用することにした。 なお、参考例として、かさ密度の異なるシラスバルーン6試料(a〜f)を用いて、静的測定法と動的測定法により測定した結果を解説表1に示す。

解説表1 静的測定法と動的測定法により測定したかさ密度(g/cm3)の例
試 料静的測定法動的測定法
a0.070.09
b0.120.19
c0.140.19
d0.210.30
e0.270.33
f0.310.36
 
 規定したタッピング装置の条件を満たす装置の一例としては、JIS K5101 図22の見掛け密度または見掛け比容測定器の一例(タップ法)がある。 また、規定した容量のメスシリンダーを、JIS R5201 参考図7のフローテーブルの中心に固定しても良い。この場合、手動で規定条件を満たすように回転ハンドルを回転させるか、規定速度で回転するように電動機を用いて回転させ、規定回数で停止するスイッチにより停止させることも可能である。 このようなことから、タッピング装置に関しては、タップ高さ、タップ速度、タップ回数の条件だけを記載し、装置そのものの規定はしなかった。
 参 考
 JIS A5007-1977パーライト
 JIS K5101-1991顔料試験方法
 ISO 787/11-1981General methods of test for pigments and extenders -Part 11:Determination of tamped volume and apparent density after tamping
 JIS R5201-1987セメントの物性試験方法
2.4.2 粒 度
 標準ふるいによるふるい分けは、乾式法と湿式法があるJIS A5007では、乾式法を採用している.シラスバルーンのように微粒のものは、乾式法ではふるい分けが困難であるので、湿式法を採用することにした。JIS K5101では、エタノールを用いた湿式法を採用しているが、水道水を用いる方法が一般的と考え、採用した。 一方、顔料試験方法に関するISO規格では、ふるい残分の残量の測定について、残量をふるいからはかり瓶に移す操作があるが、JIS K5101では、ふるいごと量る方法が操作ミスが少ないとして、採用している。 そこで、本規格でもふるいごと量る方法を採用した。
 参 考
 JIS A5007-1977 パーライト
 JIS K5101-1991 顔料試験方法
 ISO 787/7-1981 General methods of test for pigments and extenders - Part 7:Determination of residue on sieve -Water method- Manual procedure
3.参考解説
3.1 試 験
3.1.1 水中浮揚率
 浮沈分離器は、浮揚物と沈降物との分離が可能な分液漏斗あるいは分離管を使用する。 分液漏斗は、JIS R3503に規定する分液漏斗の中では呼び容量500mlのスキーブ形分液漏斗が、沈降物の排出が滑らかなので適当であるが、上部栓内径が小さく、試料の挿入と浮揚物の排出が困難である。 そこで、スキーブ形分液漏斗の上部を解放したガラス器具が好ましい。 この場合、コック栓の穴径は下部管の内径と等しくするのが望ましい。 一例として、スキーブ形分液漏斗の上部を解放したガラス器具を記載した。しかし、粒度が小さくなるに従って、浮揚物と沈降物の中間の水が透明になるまでに長時間を要するようになる。 短時間で分離が可能な、遠心分離機が使用できる浮沈分離管も市販されている.このようなことから、浮沈分離器は、様々な器具が使用できるように、“浮揚物と沈降物が分離できる透明ガラス製のもの”とした。 次項の静水圧浮揚率に関しても、浮沈分離器は、同様の理由から上記と同じ内容とした。なお、シラスバルーンの水中浮揚率は、種類あるいは製造方法によって異なり、20〜95wt%と幅広い。
 参 考
 JIS R3503-1987 化学分析用ガラス器具
3.1.2 静水圧浮揚率
 加圧装置は、ガス加圧、ポンプ加圧等があるので、規定圧力以上の圧力が得られるものとした。 一例として、ガス加圧方式の例を記載した。シラスバルーンの静水圧浮揚率は、水中浮揚率と同様に、種類あるいは製造方法によって異なり、5〜50wt%と幅広い。 なお、静水圧浮揚率を水中浮揚率で除して100倍した値は、水中浮揚物中の静水圧に耐えたものの割合を示し、この値が大きい物ほど、高強度の水中浮揚物を含んでいることを示す。
4.標準規格委員会の委員構成は、次のとおりである.
 
標準規格委員会 構成表(平成4年8月)
氏  名所      属
委員長木村邦夫
 工業技術院九州工業技術試験所
平松博久
 通商産業省生活産業局
地崎 修
 工業技術院標準部
濱野健也
 神奈川大学
諌山幸男
 九州共立大学
神尾 典
 工業技術院九州工業技術試験所
陣内和彦
 鹿児島県工業技術センター
茂呂端生
 財団法人日本産業技術振興協会
黒木勝也
 財団法人日本規格協会
高橋昭彦
 三機工業株式会社
山元和徳
 イヂチ化成株式会社
鳴海一夫
 釧路石炭乾溜株式会社
関 博光
 株式会社シラックスウ
篠塚昌毅
 大建工業株式会社
木本潤一
 株式会社カルシード
沼田四郎
 社団法人日本塗料工業会
秋浜繁幸
 株式会社 FRC
事務局村川順之
 株式会社リアライズ社(VSI 研究会事務局)
Last updated:September1,1999