「来日一年目の事。二人で有楽町にあった日劇の地下の古い映画館に行ったの。CMや予告編をやっていたんだけど、日本語でアナウンスがあったのよ。もちろん私たちにはなんだかわからないわ。そうしたら観客がだんだんと立ち上がって出ていくじゃない。気がついた時には残っていたのは私達だけ。ロイが「火事かも知れないな」って言うから外に出てみたの。そうしたら消防車が一杯。本当にビックリしたわ。
もう一つは来日2日目か3日目の事件。娘がお風呂に入ったんだけど、排水管が詰まってしまったの。
水があふれ出して、とうとう寝室まで水浸し。ビル管理人に電話で一所懸命説明したんだけど、その人が英語がダメ。私が日本語がダメ、まさにお互いにとって"絶望的な会話"よね。辞書で"ウォーター"をひいて、とにかく「ミズ、ミズ!」って叫び続けたわ。彼は「ハイ、ハイ」っていうけどわっかってないのよ。結局一時間たっても来てくれなかったわ。まぁ、滑稽といえば滑稽だけど。階下の人も天井から水漏れして大ムクレ。娘は自分のせいだってしょげちゃうしーー。とにかく最悪の出来事だったわ」
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